不器用な俺の恋
【佐山の気持ち】

七瀬はまだ無菌室

看護婦さんから、昨日まで元気で部屋中歩いていたって聞かされて

ホッとしたが……昨日まで?

今朝、突然の高熱で声も出ないくらい

悪いって…

それでも、顔みたいとお願いした


泣いてた


涙を拭くことも出来ないくらい

具合が悪いんだ


七瀬に手を振り続けた


カーテンがしまり出て来た看護婦さんから

「ありがとうと言ってましたよ」


そう言われた

「明日も来ていいですか?」

「ええ!明日には、もう少し良くなりますから!ぜひ!!
本当、昨日までピンピンしてたのに…
ご心配おかけします」

「いえ、では…また明日」

いい看護婦さんだ



翌日



ホテルを出て、病室へ向かう

緊張した

俺がしっかりしないと!!


気合い入れて、病室へ


「おはようございます!」

「熱下がりましたよ!調子良いみたいです!だけど…昨日の今日ですし、廊下からでお願いします」

「はい!廊下で構いません」

看護婦さんが中に入ってカーテンを開ける

!!!

いきなり目の前に現れて

ガラスに手をついた七瀬!!

ドラマで刑務所の面会を思い出した

ニッコリ笑ってから

看護婦さんに怒られベッドに戻る


それがおかしくて


七瀬はいつもなにかしでかす


忘れていた


看護婦さんから、厳重注意を受けてる

話し声は、聞こえないけどわかる


カーテンが閉まる前に少し手を振り合った


看護婦さんが出て来た


「こんな調子ですので、いつ熱がでるやら!!
無菌室から出ても、すぐに退院は
出来ませんから、しばらく学校行けないとの伝言です」


「わかりました
無菌室から出れた時、連絡するように
伝えて下さい
学校が始まったら、来れないので…
よろしくお願いします!!」




新学期に全員揃わないのは、さみしいな




待ってるからな!!



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