不器用な俺の恋


結のピッチに電話する


いくらならしても出ない


30分おきに3回かけた


不安になった……

夜の9時

出掛けているにしても電話に出ないなんて

「アパートしってるの?」

「学校の近くってだけで、しらねぇ」

「行こう!!」

3人で車に乗り込んだ

父さんのピッチから、佐山にかけた

「佐山!!結が電話出ない!!
アパート教えて!!」

「俺も行く、学校で待ち合わせしよう!」

心臓がドクンドクンうるせえ


佐山より先に学校についた


佐山の車に乗り越え


2分もたたずにアパートについた

2階の部屋のチャイムを鳴らす

佐山が電話かける

中から、ピッチの着信音が聞こえる


皆で顔を見合わせた


「結!!俺だ!!開けろ!!」

「結!!結!!開けてくれ!!」

「結!出てきてちょうだい!!」

「出ておいで!!結!!」








「何してるの?」


一斉に後ろ振り返る

「結!!」

驚いたのなんの!!



「えーと、とりあえずお茶でも飲む?」



ただならぬ状況と判断した結は、皆を中へ

5人分のお茶を入れる

1Kの部屋にベッドがあるから、ギューッと

して座っている

綺麗にしてるなとか考えていたら


結「狭いね?ふふふっ で?どうしたの?」

俺「ごめん!!俺が早とちりした!!」

結「ピッチ忘れて出かけたから、心配させちゃったね?」

父「結、うちにおいで?やっぱり、心配だ」

母「そうよ!うちで一緒に暮らしましょ?」

結「気持ちだけ貰う……」

母「高橋さんや結の叔父様たちにも、ちゃんと頭を下げるわ!ね?」

父「恭と兄弟になるのはいやなら、戸籍はそのままでかまわないよ?」

佐「俺に気を使ってるのか?」

結「そうじゃない… 」

俺「こいよ?」

結「迷惑でしょ…」

母「娘が迷惑な親なんていません!!」

結「あたしは、ずっと施設で育った…
いらないから捨てたんだよ
あたしがいたら迷惑なんだよ…
叔父さん夫妻もきっと……」

父「それは、違う!!
ご両親は、結を守る為に預けたんだ
叔父夫妻から、逃がすために!!
お爺さんは、叔父達の暴力を知らずに
引き取ったんだろう」

俺「え?父さん、知ってるのか?」

父「テニスの大会の時、わかった
内山 絆の娘だって……
仕事で、一緒になってね、気が合って
何度か飲んだ
叔父夫妻が娘をさらったり、暴力を
振るうって、妻はその事で精神を
病んだって相談された
施設に預けたのは、最終的な判断
だった
捨てたんじゃない!!!」

結「お父さん…本当なの?」

父「ああ。結のお母さんは、吉乃
絆の糸偏と吉乃の吉
2人の名前を貰って結
人と人を結びつける!そんな人に
なってほしいからって」

母「素敵!!その通りになってるわね!」

結「知らなかった……」

佐「愛されてるな?結?」

俺「すげーー良い名前だよ!結!!」

結「うん!嬉しい!!」





だけど…結は、一緒に住むのは無理って

理由は、言わないけど……



俺は、この日


佐山が結って呼ぶの初めて聞いた



俺に気を使ってる?の意味も気になる
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