セルフィシュラブ



気怠げな視線を送ることで反応を示すと間宮はリップを塗り色づいた唇を開いた。



「今日バイト行けないって店長に言ってくれない?急用が入っちゃってさ」

「あー、うん分かった」

「すまんね」



見た目は派手なくせして‘すまんね’なんて侍のような口調。呆れた目で見つつも、間宮に彼氏がいることをふと思い出す。



「間宮ってさ彼氏いるじゃん。なんだっけ、しんちゃんだっけ」

「そうだよー。しんちゃんがどうしたの?」

「もしかしてその急用ってしんちゃんのことなのかなと思って」

「違うよ。てかあたしがバイトしてんのってしんちゃんのプレゼント買うためだし」

「あ、そうだっけ」



そうだよーと不服そうに頬を膨らませた間宮。私は視線を天井へ向けバイト初日に会った間宮を思い出す。



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