叶う。 Chapter2
「とりあえず、早く薬飲んどいたら?」
レオンはそう言って、凛に向かって薬を放り投げた。
凛は咄嗟に手を出して、それを受け止めた。
見覚えのある2錠の錠剤を手にした凛は、まだ緊張しているのかレオンを一瞬だけ見つめると小さく「ありがとうございます。」と言って、テーブルに置かれた水でその薬を飲み込んだ。
「まだ24時間経ってないでしょ?」
レオンは薬を飲んだ凛に、優しくそう声を掛けた。
「・・・はい。」
「じゃあ、それだけ飲んどけば大丈夫だから安心しな。」
そう言ったレオンは、いつもと同じ優しい笑顔で凛を見つめた。
「あと、それ吐き気が出る事あるから、吐いたらダメだよ?」
レオンはそう言って立ち上がると、私達が居るソファの近くまでやってきて、もう一つの薬をテーブルに置いた。
「話したいことはあるかもだけど、副作用が出ると困るから寝た方が良い。睡眠薬だからこれも飲んどいたら?」
レオンの言葉に、凛は一瞬躊躇した様子だったけれどゆっくりと頷いた。
「そうだね、睡眠薬飲まないと寝れないかもだし、飲んだ方がいいよ?」
私も凛にそれを伝えた。
凛はテーブルに置かれた薬を手に取り、さっきと同じように口に含み水で流し込んだ。
「じゃあ、また何かあったら呼んで。」
レオンはそう言うと立ち上がり、私の部屋を出て行った。