叶う。 Chapter2
凛はレオンにお礼を言いたかったのだろうか、口を開きかけたけれど、そのタイミングが掴めなかったようでそのまま口を閉じた。
私はそんな凛の手を取って、私のベッドに連れて行ってそのまま寝かしつけた。
「色々話したいけど、今日はゆっくり休んで。もう寝た方がいいと思う。」
私は凛を寝かせたベッドの端に座ると、凛の手を取って優しくそう言った。
「うん、ごめん・・・ほんとに。」
「大丈夫、気にしないで。もう大丈夫だから、ね?」
私がそう言うと、凛は少し穏やかな表情を浮かべた。
「ベッド借りちゃって大丈夫なの?」
「大丈夫だよ、他にも寝る場所あるから。」
私がそう言うと、凛は安心したように重そうな瞼をゆっくりと閉じた。
私は凛の手を握りながら、凛が寝付くのを待った。
凛は相当疲れていたのか、それか薬のおかげかは分からないけれど、10分もしないうちに小さく寝息を立て始めた。
私は少しだけ部屋の照明を落とすと、そっと凛の手を離して毛布の中にその手をしまった。
そして物音を立てないように、静かに自分の部屋を出た。
とりあえず、レオンにお礼を言いたかったしお風呂にも入りたかった。
私は廊下を真っ直ぐ歩いてリビングへと向かった。