叶う。 Chapter2
鏡の前にバスタオル1枚で立ち尽くす私をちらりと見ると、その人は何事もなかったかのように勝手にバスルームに入り上着を脱いだ。
染みひとつない綺麗な白い肌に、逞しく均整のとれたその身体はいつ見ても純粋に綺麗だと思う。
「ねぇ、シオン。」
「……なんだ?」
「寝るところが無いの、一緒に寝ても良い?」
シオンのベッドは私のベッドと違ってキングサイズのベッドなので、二人で寝ても充分広い。
それに何故だか、とってもシオンに触れたい気分だった。
シオンは私の方をちらりと見ると、ほんの少し目を細めてまた綺麗で残酷な笑みを浮かべた。
「好きにしろ。」
シオンがそう言ったので、私は満足して真っ直ぐにシオンの部屋に向かった。
だけれど途中で服を着てない事を思い出し、慌ててバスルームに戻った。
中から水の流れる音と、磨りガラス越しにシオンを確認したけれど、私はクローゼットを開いてパジャマと下着を手にとって、直ぐにバスルームを出た。
そしてそのまま、シオンの部屋に向かいその扉を開けて中に入った。
パジャマをベッドに放ると、下着だけ身に付けてベッドに潜り込み毛布にくるまった。
途端にシオンの香水の香りに、心地よく包み込まれた気がして何故だかとっても安心した。
また欠伸をする。
何だか、とても眠たかった。