叶う。 Chapter2
そのまま眠れそうなくらいうとうとしていたけれど、不意に圧し掛かる重さを感じて私は仰向けになった。
うっすらと目を開けると、氷みたいな冷たい蒼い瞳にじっと見つめられていた。
綺麗に弧を描く唇は、すごく妖艶で私はそのままシオンの濡れたままの髪に指先を絡めた。
シオンの頭を引き寄せると、自分から唇を重ねる。
ゆっくりと時間をかけて、酸素が脳に回らなくなって意識が朦朧とするまで、舌を絡め深く深くキスをした。
そうしていれば、いつかは呼吸が出来なくなって私は死んでしまうのかもしれない。
だけれどシオンに殺されるのならば、私は何故だか満足するような気がした。
それは決して自分のものにならないシオンの記憶の中に、自分という存在を残しておきたいからなのかもしれないと、ふとそんな事を考えた。
だけれど、それは長くは続かなかった。
思考を止める程の、激しい快楽に身体が自然と反応する。
シオンは私が余計な事を考えていることが、きっと分かっているのだろう。
私に考える隙を与えまいと、あらゆる手段で私を攻め立てる。
漸く離れた唇に、私はうっすらと目を開いた。