叶う。 Chapter2

そして私は凛のメールを確認した。


"かなうのお兄さん、何か言ってた？"


私はそのメールの意味が分からなかった。
そして、暫く考えて昨日の記憶がふと蘇った。

シオンを見た後で、なんだか凛の様子がおかしかった事をあの子は気にしていたっけ？

理由は分からないけれど、ひょっとしたらシオンと凛が知り合いなのかと考えていたことを思い出した。

まぁ、正直そんな事は今の私にはどうでも良かった。


"おはよう！兄は何も言ってなかったよ。昨日怪我しちゃって今日は学校行けないけど、明日は行けると思う！"

分からない事は、追々調べていけば良い。


凛にそうメールを送ると、直ぐに和也から返事が返って来た。

"マジか、めっちゃ心配だったよ。とにかく無事で良かった。今電話出来る？"

"ごめんね、今は美容院だから電話は出来ないけど、帰ってからまたメール入れて良い？"

"お？イメチェン？了解だよ。"

"うん、イメチェン。和也のために可愛くしてたくて。"

"マジかwめっちゃ嬉しい！じゃあ楽しみにしとくよ。"

"じゃあまた後でね。"


私はそうメールをして、何だかすごく満足だった。

それは和也が何の疑いもなく、メールをくれたから。
和也はあの子にベタ惚れだったから、多少の変化ならきっと受け入れるだろうと確信した。