叶う。 Chapter2




いつもよりメイクに手間取ったせいで、私がメイクを終えたのは、待ち合わせの5分前だった。

和也はもう、きっとマンションの下まで迎えに来てくれているはずだ。

この寒い中待たせる訳にもいかないし、でもまだ部屋着のままだったので、私はどうしようかと一瞬悩んだ。


ママは仕事に行ったし、シオンとレオンが出掛けていれば、家に上がって待ってて貰おう。


私は純粋にそう思って、部屋を飛び出してリビングに向かった。
リビングの扉を開けると、そこはいつもと同じでとても静かだった。

私はそのまま真っ直ぐに兄達の部屋に向かった。
もし兄達が居たら、出掛けて来るって伝えに来た振りをしておくつもりだった。

まずはレオンの部屋を2回ノックして耳を澄ませた。

だけれど、返って来たのは静寂だけだったので、きっとレオンはもう出掛けてる。

次はシオンの部屋を同じように2回ノックした。

正直シオンの顔は見たくないけれど仕方ない。

だけれどラッキーな事に、物音1つ聞こえて来ないので、シオンも居ない事が分かった。


私は念のためバスルームとトイレにも行ってみたけれど、どこにも誰も居ない。


私はすっかり安心して、直ぐに部屋に戻って和也に電話を掛けた。

2回程のコールで、和也は直ぐに電話に出た。




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