叶う。 Chapter2
「ごめん……ね。」
「いや、俺こそごめん……いきなりあんなことして。」
和也はそう言ってくれたけれど、何だか申し訳なく思った。
別に和也に触れられたから、頭痛が起きたんじゃない事を伝えたかったけれど、そんな気力すら湧かないくらい、私は何故かひどく怖かった。
最近は頭痛を起こす事が多いけれど、こんなに痛かった事は今までなかったからだ。
「大丈夫?」
和也はそう言って、トイレに入って私の背中を優しく撫でてくれた。
「……もう、大丈夫だよ。」
私は力なく微笑むと、そのまま振り返り和也に抱き付いた。
和也は一瞬驚いた顔をしたけれど、そのまま私を抱き上げるとベッドまで運んでくれた。
部屋に戻ると和也は優しく私をベッドに寝かせて、額から流れ落ちる汗を服の袖口で拭ってくれた。
「ごめん……な。いきなりあんなことして。」
「ううん、違うの……体調が悪かっただけだから。」
私は漸く落ち着きを取り戻して、和也のせいじゃないことを伝えた。
「いや、体調悪いのに気付かなかったし。本当にごめん……。」
和也はそう言って、とても申し訳なさそうに顔を歪めた。
「違うの、本当に……なんかいきなり頭が痛くなって。」
私は必死にそう言った。
和也には全く何の関係もないのだ。