叶う。 Chapter2
「本当にごめんなさい。」
私は今だに心配そうな表情を浮かべる和也の手を取って自分の手と繋いだ。
そうしないと、和也は多分自分のせいで私がおかしくなったと間違いなくそう思ってるはずだ。
あの頭痛の瞬間は、本当に気を失うかと思ったけれど、何故か今は全く痛みもない。
脳に異常があるなら、この前の検査で発覚しているだろうし、私は何故あれだけの痛みが起きたのか原因がさっぱり分からなかった。
たかが和也とキスをして、何となくそう言う雰囲気になっただけなのに。
ストレスが原因なら、私にとってはシオンとそう言う事をする方がよっぽどストレスだ。
原因が分からない事は、とても不安になる。
私は横になったまま和也の手を握りそんな事を考えていると、和也が何だか言いにくそうに小さくこんな事を言った。
「ひょっとして、かなう初めてなの?」
「……え?」
私はその和也の発言に驚いて、思わずそんな返事をしてしまった。
確か初めては中学に上がったばかりの頃に、あの子がされるがままシオンに抱かれてたことをふと思い出した。
でも、まさか兄としているなんて口が裂けても言えないので、私はどう伝えるべきか躊躇した。
子供の頃から性に触れ続けて来たから、何とも思わないけれど、考えてみたらまだ14歳なのだ。
普通なら処女と考えるのが当たり前だろう。