叶う。 Chapter2
「寒くないの?」
私はそう言って、和也と手を繋いだ。
「走って来たから寒くないよ。」
和也はそう言って、相変わらず優しい眼差しで私に笑いかける。
「買い物って何買いに来たの?」
手を繋いだまま駅ビルを歩きながら、和也がそう言った。
「特に決めてないの。ただ、気分が落ち着かなくて。」
「まぁ、明日だもんな~。落ち着いてた方が逆に怖いよなw」
そう言って笑う和也に、何だかとっても癒される。
「じゃあ、甘いもんでも食べ行く?」
和也がそう言ったので、私はにっこり微笑んだ。
正直疲れて居たので、甘い物が食べたい気分だった。
私達は駅ビルの中にある、とても美味しいケーキ屋さんに向かうことにした。
そこのケーキは今の私の大好物で、レオンが時々お土産で買ってきてくれるのは大体ここのお店のケーキだった。
このお店のケーキも大好きだけれど、この時期は甘いミルクティもとても美味しい。
和也とも何度か来ているので、私が何も言わなくても私にはストロベリータルトとミルクティを、自分は珈琲とザッハトルテを、和也は勝手に頼んでくれる。
「時間大丈夫?」
注文を終えて席に向かい合って座ると、和也がそう言った。
時刻は午後5時だったので、多分まだ大丈夫だろうと思った。