叶う。 Chapter2




優しい瞳でじっと見つめられると、何だか急に恥ずかしくなる。

だから、私はケーキを食べる事に集中することにした。
私が俯き気味にケーキを食べて居ると、和也がはっと思い出したかのように鞄から何かを取り出した。

B5サイズくらいの、丁寧に包装された物を私の前にすっと差し出した。

本か何かだろうか?
厚さと大きさ的にそう思った。

私が首を傾げると、和也は優しく笑ってこう言った。


「1ヶ月記念のプレゼント、開けてみて。」


私はすごく驚いたけれど、同時にすごく嬉しくて言葉が迷子になってしまった。


「ご、めん。私、何もそういう事考えてなくて……」


突然のサプライズに、どうして良いのか分からない。


「良いんだよ。俺が渡したかっただけだから。開けてみて。」


笑顔でそういう和也に促されて、私は丁寧に包装を外して中から出てきた白色の箱の蓋をゆっくりと開いた。

その中身を見た途端、あまりの嬉しさにおかしな声を出してしまいそうになった。

だから思わず両手で口を押さえた。

その箱の中にあったのは、茶色い革表紙のアンティークな鍵付きの日記帳だった。

そのお洒落なデザインに、私は感動して言葉が出なかった。




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