叶う。 Chapter2
沢山食べる私を見て、ママはとても満足気だった。
そして食事が済むと、ママは私の部屋にやって来て明日の衣装を私に合わせた。
半年前にオーダーで作った衣装は、痩せてしまったおかげで随分と緩くなってしまっていた。
どうしようと散々悩んだ挙げ句、ママは私のウエスト部分にタオルを巻いてコルセットで固定する事にした。
勿論胸もすかすかなので、厚手のパッドを二枚も入れなくちゃいけなかったけれど、出来上がった私を見てママは何故だかすごく満足そうだった。
私が姿見で確認すると確かに偽装だけれど、すごくスタイルが良く見える。
それにじっと観察しても、誰がどう見ても偽装に見えないくらい完璧な出来栄えだった。
「バッチリね。」
ママは一緒に姿見を確認して、笑顔でそう言った。
「ありがとう、ママ。」
私はそう言って、ママに抱き付いた。
私とママはそれから、明日の髪型やメイク等の細かい打ち合わせをした。
二人並んでヘアカタログ雑誌を見ていると、ソファの染みに気付いたママが、新しいのを買ってくれると言ったので私は大満足だった。
そして一時間くらいかけて、髪型とメイクも無事に決まって、衣装を汚さないように脱いでハンガーに掛けると、私はママに促されてバスルームに向かった。
何よりも早く休むべきだと、ママに何度もそう言われたから、先にお風呂に入る事にしたのだ。