叶う。 Chapter2
ママは私をリビングに連れて来ると、カモミールティーを淹れてくれた。
意識がぼんやりしたくなかったから、薬は飲みたくなかったけれど、ママは私がきっちり薬を飲み終わるまでじっと見つめてきたので、そうも言えずに紅茶で薬を流し込んだ。
正直この身体は薬慣れはしているので、この時間に飲めば明日の朝までには効果は切れているはずだ。
「さぁ、今日は早く休んで。」
ママは薬を飲んだ私を確認すると、優しく私の髪を撫でた。
その仕草で、これ以上起きて居てもしつこいくらいに寝ろって言われるのが分かったので、私はママにハグすると、素直にお休みなさいを言ってリビングを出た。
バスルームで歯磨きをして、真っ直ぐに部屋に戻る。
時刻を確認すると午後の22時少し前だったので、眠くなる前に和也に電話を掛けた。
和也は珍しく電話に出なかった。
私は何かあったのか少し不安になったけれど、休日前だし遊んでいるのかもしれないと思って、電話を切った。
そして鞄を開けると、和也から貰った日記帳を取り出した。
作りはアンティークっぽいけれど、ページを開くと中は真っ白な便箋みたいになっていた。
私は鍵のネックレスを首にかけると、机に座って日記を書き始めた。