叶う。 Chapter2
私は静かになった部屋で、何だか打ちのめされた気分だった。
だから、言ったじゃないか。
人間なんて存在はこうやって簡単に裏切るし、不快な気分にさせてくる。
例え友達だろうが、私が明日発表会と言う大舞台に立たなきゃいけないと言うのに、和也はそんな事すら気にせず友達と遊んでるのだ。
別に女の声がしたからと言って、女と遊んでるとは限らない。
そんな事でイライラしている訳じゃない。
私が気に入らないのは、せめて少しでも静かな所から連絡を入れるくらいの気の使い方くらいして欲しいって事だ。
だけれど、結局はそれは私の勝手な願いで、ただの我儘だって分かってる。
真っ直ぐに私を見つめて、いつでも私を気遣ってくれていたのに、何故今日という日に態々友達と遊んだりなんかするんだろう。
だからといってそれを責めるのも気違いだってことくらい私にだって分かってる。
小さい人間だって自分自身でも感じるけれど、それでもなぜか許せなかった。
私はイライラしたまま、ベッドに潜り込んだ。
だけれど、すぐさまベッドに放った携帯が短く震動したので、思わず舌打ちした。
多分メールだろうと思い、私は渋々携帯を手に取った。
″本当にどうしたの?何か嫌な事でもあった?″
あなたが原因ですと、送り返したい気分だったけれど、止めておいた。
どうせ私だけ気持ちなんて理解して貰えるわけがない。