叶う。 Chapter2
可愛い、と純粋に感じてしまったけれど、私はまだ本音では接することはしない。
だから、無言で照れてる振りをしておいた。
暫くすると、クスクスと和也が笑ったので私の演技は無事に伝わったみたいだった。
“この前さ、お兄さん大丈夫だった?”
「うん?」
“何か、かなうのお兄さん怒ってなかった?あの後皆で話してたんだよ、かなうが怒られたんじゃないかって。”
「・・・大丈夫だよ、兄はあれが普通だから。気にしないで。」
“そうなんだ、なら良かったよ。それにしてもかなうの家族は皆、美男美女だなwしかもお兄さんめっちゃ頭良い学校なんでしょ?”
「うん、私だけ馬鹿なの。」
“いやいや、俺も馬鹿だから大丈夫w”
「馬鹿と天才は紙一重っていうからw」
和也が笑ったので、私も笑ってそう言ってしまった。
“ん?かなう今笑った?”
私は一瞬どう返答しようか迷ったけれど、恋する乙女を演じておけば、多少の変化くらい大丈夫だろうと思った。
「・・・うん、和也と話してると楽しいの。」
“俺もかなうと話してると、めっちゃ幸せ”
「・・・・恥ずかしいんだけど。」
“そういうの反則だな、照れてるかなう可愛いw”
何だか和也は、直球でそんな言葉を言うのでほんの少しだけ嬉しかった。