叶う。 Chapter2
その場所には、この前もいた目付きの鋭い付き人を連れた男の人がいた。
あと、この前目を合わせなかった顔にまで刺青をいれた男の人も居たけれど、やっぱり私は目を合わせなかった。
それは純粋に怖いと思うからだ。
人間必ずしも見た目と性格は一緒だとは限らないけれど、やっぱり第一印象は見た目だ。
別に何かされたりする事は無いのだろうけれど、何となく関わりたくないと思ってしまう。
そして今日は知らない女性も二人居たけれど、そのうちの1人はレオンの後ろから現れた私を見ると、明らかに目付きが変わった。
その瞬間、私はその人を見たことがある事を思い出した。
あの日、私があの子と入れ替われそうだった時にシオンと一緒に居た女性だ。
シオンが奥の上座に位置するソファに座るまで、その場に居た人全員が立ち上がって頭を下げていた。
私は何処に座って良いのか分からなかったので、シオンやレオンが座るまで、なんとなく手摺に掴まりながら一階フロアを覗き見ていた。
一階フロアは相変わらず凄い沢山の人で溢れてた。
絶えず流れ続ける軽快な音楽に合わせて、沢山の人が踊ったり笑ったりとても楽しそうだった。
私はちらりと振り返り、シオンの方を見た。