叶う。 Chapter2




「今日は妹さんもご一緒なんですね。」


席に着いたシオンを確認すると、あの鋭い目付きの男性が微かに笑顔を見せながらそう言って、シオンの後に続くように静かにソファに座った。


「たまにはね、社会見学だよ~。」


レオンは楽しそうにそう言って、私の方を見た。


「あーちゃん、座ったら?」


私はレオンにそう言われたので、レオンの隣に座ろうかと思ったけれど、何故かシオンに睨まれた。

だけれどあのフランス人形みたいな女が、シオンの右側に座ろうとしていたので、あえてレオンの隣に座ってやった。

何だかさっきから、その女に睨まれている。
それも、シオンやレオンが見てない時にやたらと視線を感じる事が気に入らなかった。

もう一人の女性は、どちらかというと凛みたいな雰囲気の女性で、遠慮がちにレオンの向かいのあの刺青男の隣に座った。

多分だけれど、レオンの相手をするのがこの女性のような気がした。

なぜかと言えば、フランス人形と違ってこの女性はとても周りの空気を察知するのが巧そうだ。

それはレオンも同じだから、何となくだけれど似た者同士でお似合いな気がした。

私はおとなしくレオンの隣でそんな事を考えていたけれど、ちらりとシオンに視線を向けると明らかにご機嫌が斜めなのが見ているだけで分かった。




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