叶う。 Chapter2
私はあの子の行動を、いつも監視していた。
あの子の目が認識したものは、いつもモノクロで私にもちゃんと見えていた。
あの子の内に秘めた感情や、思考ももちろん把握していたし、行動もまるで手に取るように把握していたけれど、たまに記憶にない事もある。
それは僅かな会話だったり、あの子の記憶にたいして残らなかった物なんかは私も把握しきれてない部分があるのかもしれない。
まぁ、それはさほど気にする事もないだろうけれど、不安要素であることは間違いない。
これからは少し発言に注意をしようと、私は微かにそう思った。
何だか凄く頭を使っているからか、私は頭痛がしてこめかみを揉んだ。
そうしたところで、頭痛が治まるわけじゃない。
多分今日は、疲れているのかもしれない。
早く寝て明日に備えようと、私は歯磨きをしにバスルームに向かった。
手早く歯磨きを終えると、また自分の部屋に戻りそのままベッドに潜り込んだ。
ふかふかのベッドはとても心地よくて、ゴロゴロしているといつの間にか頭痛は治まっていた。
ゆっくりと目を閉じる。
何年振りだろうか、こんなに暖かい場所で眠る事が出来るのは・・・・。
気がつくと私は、浅い眠りに落ちていった・・・・・。