叶う。 Chapter2




冷静沈着のシオンと、血気盛んだけれど人当たりの良いレオン。
この二人は凄くバランスが取れている気がする。

黙々と自分のやるべき事をやるシオンに、他人に対して喜怒哀楽含め感情を巧く表現するレオン。

おそらく、シオンよりもレオンの方が他人をコントロールする術に長けている。
だからさっきもレオンは自ら恵令奈に連絡を入れると言ったんだろう。

双子だからこそ、それで巧くバランスがとれているのかもしれない。
片方が居なくなれば、そのバランスは崩れて全て崩壊へ向かうのかもしれないと、そんな事を思った。

この二人は双子だから巧くやっていけているのかもしれない。

シオンが指示を出して、レオンがその人間を取り込む。


そう考えたら、何故だか妙に納得出来た。


他人から見たら、それは多分気づかないくらい巧妙に隠されている真実なんじゃないかと、密かに思った。
そしてそれに気付いた瞬間、何だか二人の秘密を知ってしまったような不思議な気分になった。


それは私が二人存在するから分かることであって、きっと他人には分からないんだろうと思う。

他人からしてみたら、扱い易いか扱い難いかの違いしかきっと分からないだろう。

実はそれで双子がバランスをとっているなんて、きっと誰も気付いていない。
多分だけれど、シオンもレオンも演じているのかもしれない。

そして周りに分からないようにバランスを保っているのかもしれない。

もちろん、元々の性格もあるのかもしれないけれど、私は何故かそう感じた。



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