叶う。 Chapter2
私はシオンに声を掛けられる前に、真っ直ぐに自分の部屋に向かった。
そして部屋に鍵をかけた。
シオンの部屋には行くつもりだけれど、和也に電話をして日記を書いてお風呂にも入りたい。
その邪魔はされたくなかった。
鞄から携帯を取り出すと、時刻はもう1時近かったけれど、明日は日曜日だから和也はまだ起きてるだろう。
私は和也の番号をタッチすると、そのまま携帯を耳にあてた。
暫くのコールの後、何故か和也は電話に出なかった。
そう言えば、帰ったらメールすると言っていた事を思い出したので、私は携帯を切ってメールを確認することにした。
メールフォルダを開くと、3件のメールが受信されていた。
ひとつ目は凛からで、おめでとう!と言う相変わらずシンプルなメールだった。
2件目はママからで、先に休むと言う事と今日の労いの言葉だった。
3件目は和也からで、愁と晃と悠希と夜に遊ぶけどいつでも電話してと言う内容だった。
いつでも電話してと言うわりに、電話に出ない和也に不信感が募る。
だけれど、私も連絡を入れずにシオン達とクラブに居たのだから仕方ないのかもしれない。
折り返し電話が来るのを待ちながら、私は机に座ると日記帳を取り出して、それを書き始めた。