叶う。 Chapter2
泣きじゃくる私に構う事すらなく、シオンは私をベッドに引きずって行くと乱暴にその上に投げつけた。
私は身体中が痛くて、怖かった。
何故か幼い頃を思い出した。
抵抗出来ない私をこうして自分の欲求を満たすだけの為に、辱めて陵辱してきた大人達が目に浮かぶ。
私は更に涙が止まらなかった。
シオンは絶対にそれに気付いているはずだけれど、きっとわざと私を苦しめているのだと、その態度で分かった。
シオンの下でただ唇を噛み締めて、早く終わってくれることだけを祈った。
昨日まではこんな関係も刺激的でいいと思っていたはずなのに、何故か今は胸が押しつぶされそうなくらい心が痛かった。
乱暴に触れられる事も、まだ準備すら出来ていない身体に強引に押し込まれる事も、何もかもが昨日までのシオンと違う。
だけれどそうしてしまったのは、私なんだ。
私がシオンの中に眠る悪魔を呼び起こしてしまったんだ。
私は泣きながら全てが終わるまで、それに耐えた。
その苦しくて長い時間は中々終わってはくれなかった。
だけれど息を弾ませながら、その愛情の欠片すら感じられない行為を終えると、シオンは相変わらず蔑んだ目で私をじっと見つめた。
そしてシオンは更に私を追い詰めた。