叶う。 Chapter2
部屋に戻ると、何だかとっても疲労感で一杯だったけれど、何故か目は冴えていた。
双子の事や、自分の事、考える事は沢山あるけれど、いくら考えても正しい答えなんてどこにもない。
私はレオンから貰った薬を水で流し込むと、机に向かって日記帳を開いた。
そして二日前に書いた日記を2枚破り捨て、新しく日記を書いた。
"初めまして、アンナ。
私はアリス。貴女がこの日記を手にする時、私はもう存在しないでしょう。
私は貴女の目を通して、色々なことを見てきました。
貴女はそれに気づいていなかったけど。
これから毎日の出来事を、この日記に記します。
もし貴女が目を覚ましたら、貴女が眠っている今起きている出来事をきちんと知ることが出来るように。
そして貴女が混乱しないように、私は全てをこの日記に書きます。
貴女を本当に必要としている人が居ます。
だから、どうか貴女が目を覚ましますように。"
私はそれを書くと、きちんと鍵を閉めて日記を机にしまった。
そしてこれからを考えて、この日記をアンナに対して残しておこうと決めた。
目を覚ます事は永遠にないかもしれない相手に手紙を残すようなものだけれど。
それでも良いと思った。
私があの子にしてあげられる、最後の事だろうと思ったからだ。
日記を仕舞うと私は途端にまた偏頭痛を起こして、そのままふらふらとベッドに横になった。
アイスノンで頭と目を冷やすと、すごく気持ち良かったけれど、私はそのままいつの間にか意識を失っていた・・・。