叶う。 Chapter2
だけれど、今はまだどうでも良い。
シオンの考えてる事は分からないけれど、私にとって必要な事じゃない。
私はそう考えて、クローゼットからコートを取り出して制服の上に羽織る。
いつもよりかなり早いけれど、早く一人になりたかったので私は学校に向かう事にした。
部屋を出ると、何だか騒がしい。
リビングに近付くに連れて、騒々しさが増したので、きっとママが帰宅したのだと思った。
シカトする事も出来たけれど、なるべくママに悪い印象をもたれても困るので、私は渋々リビングに向かった。
リビングの扉を開けると案の定、朝からママとレオンが言い争いをしていた。
「おはようママ、レオン。」
突然声をかけられた二人は揃って私を見た。
「は!?あーちゃんどうしたの?」
「あら、アンナおはよう。」
流石は親子、同時に私にそう声をかけてきた。
「イメチェン。可愛い?」
私はレオンに笑顔でそう言った。
「バッチリ可愛いぜ。」
レオンはそう言うと、私の頭を撫でた。
多分、私の変化をもう知らされているだろう事がその態度で分かった。
ちらりとママを見ると、ママはテーブルで両手を組んで、優しい目で私達のそんな姿を眺めてた。