叶う。 Chapter2
「昨日出掛けたから、何かあったのかと思ったわ。」
ママはそう言って、またキッチンに入って行った。
「ううん、本当に嬉しくて大泣きしちゃっただけだよ。」
私はそう言って誤魔化すように笑った。
だけれどママはそれ以上詮索しなかったので助かった。
「ご飯食べれる?そろそろお昼にしましょう?」
ママがそう言ったので、私はママと一緒にキッチンに入って昼食の準備を手伝った。
今日のお昼は野菜のコンソメスープと海草サラダにトーストだった。
毎週日曜のお昼は大体こんな感じだ。
朝食みたいなメニューだけれと、日曜は基本的に私以外はお昼まで寝ているからだ。
下手をすれば、シオンとレオンは朝になって帰宅することも多い。
今日はママはきっと朝から起きていたんだろうけれど、朝は多分教会に行っていたのかもしれない。
なぜなら、きちんと化粧をして着替えていたから何となくそう思った。
いつもは午後に教会に行って一時間程で帰ってくるけれど、今日は昨日お休みだったから朝から出掛けていたのだろう。
サラダを取り分けようとお皿を出すと、ママがはっとした様にこう言った。
「あの子達、帰ったのかしら?悪いんだけど、ちょっと見て来てくれる?寝てたら叩き起こして良いから。」
ママは当たり前のように、にこやかにそう言った。
私は何とか笑顔を取り繕って、リビングを出て双子の部屋に向かった。