叶う。 Chapter2




「さぁ、注文しましょう。和也君何が良い?」


私と和也にメニューを渡しながら、ママがそう言った。
メニューを開くとそこは全て英語で書かれていた。


「かなう、何が良い?」


和也はそう言って、優しく私に聞いてくれる。

シオンが斜め向かいに居なかったら、私はきっとぴったり寄り添ってメニューを覗いただろうけれど、流石にシオンの前でいちゃいちゃする気なんておきない。

だけれどそんな私とは正反対に、恵令奈はシオンにぴったりと寄り添って不機嫌なシオンが見ているメニューを一緒に覗き込んでいた。


「これ、美味しそう。」


和也が選んだのは骨付きのステーキだった。メニューは全て英語で書かれていたけれど、和也はそれが分かるようだった。

私は勿論食欲なんて欠片もなかったので、和也のお肉を少し分けてもらってサラダを頼む事にした。

すると突然、ママが和也に英語で話しかけた。
和也は突然で驚いたみたいだけれど、普通に英語で返事をした。

会話の内容は、お肉のサイズと焼き加減はどうする?という単純なものだったけれど、和也は発音もばっちりでママに返事をしたので私は少し驚いた。

英語をやっていると言っていたけれど、失礼だけれど会話が出来るほどだとは思わなかったからだ。

そんな私達の事は全く眼中にないのか、恵令奈がシオンにこう言った。


「英語だから読めないよ?」


ママはその発言にばれない程度に溜息を吐いた。




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