叶う。 Chapter2
"流石にかなうでも、それくらい忘れてないかと思ったけどw"
和也はすごくおかしそうにケラケラと声を上げて笑った。
「すっかり忘れてた!それに、今思い出したの!私今日和也に渡したい物があったのに。」
私はステンドグラスを思い出し、絶望的な声でそう言った。
"マジか、嬉しいけど会った時で大丈夫だよ!それにさ、発表会終わったし、約束通りデートしようぜ。冬休みだしな。"
「うん!」
和也の言葉で、私はデートをとても楽しみにしていた事を思い出した。
"かなう、どっか行きたい所決まった?"
「うん、あのね、私水族館に行きたい!」
"水族館か、了解!どこが良いか探しておくよ。"
「うん!」
和也の言葉に思わず私は笑顔になった。
あのカラフルな魚達をもう一度見れると思うと、何だかそれだけで気分が明るくなった。
"よし、じゃあ明日終業式で学校終わるの早いし、明日冬休みの計画でも立てる?"
「うん、そうだね。」
"学校終わったら、家に来る?"
和也はほんの少し緊張しているように、そう聞いて来たけれど、私は深くは考えずに返事をした。
「うん、和也の家行きたい!」
"了解、じゃあ掃除しとくよ。"
私達はそれから少しだけ話をして電話を切った。
私は冬休みの楽しい出来事を想像しては、何だか一人でご機嫌だった。
だけれどそんな気分も長くは続かなかった。