叶う。 Chapter2




私は和也のお腹に腕を巻き付けて抱き付く。

顔を見られないようにしただけだけれど、それでも効果は抜群だった。


「あ、あのね。」

「急にどうしたの?」

「わ、私ね……」

「うん?」

「和也の事が大好きなの……。」


和也は一瞬呆気にとられて私を見たけれど、それでも直ぐに満面の笑顔でこう言った。


「俺もかなうが大好きだよ。」

「だから、あのね……。」

「うん?」

「嫌われたく、なくて……だから、ね、私変わりたくて……。」

「何で?嫌いになんか、ならないよ。」

「でも、私鈍くさいし、バカだから、もっとちゃんと、したくって……和也に釣り合うように、大人になりたくって……」


私はそう言って、微かに瞳を潤わせて和也を見上げた。


「かなう……そんな事考えてたの?俺はかなうが好きだし、どんなかなうでも気持ちは変わらないよ?」


和也はそう言って、人目を気にせずに優しく私を抱き締めた。


「かなうは本当に色々考え過ぎ。俺の方がかなうの事好きなのに、釣り合うとかむしろ俺のが駄目だわ。」

「で、でも、和也凄いモテるって、クラスの子達が、話してるの聞いたの。」

「……んな事ねぇよ。」

「だから、私…捨てられたくな、く……て…。」


そこまで言って、もう充分だと思った。




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