叶う。 Chapter2
なぜなら、和也が凄く優しい視線で私を捉えたからだ。
「俺の事そんなに考えてくれてたのはすげぇ嬉しいけど、俺はどんなかなうでも、嫌いになったりしないし、むしろどんどん好きになってるよ。」
そう言って、私の頭を優しく撫でてくれたから私は心の中でにっこりした。
これで大丈夫、私が変化している事を遠回しに伝えたし、それはあくまで恋する乙女な自分であることもちゃんと伝わった筈だった。
一瞬だけ、シオンみたいに鋭いタイプかと思ったけれど、どうやらあそこまで注意する必要もなさそうだ。
私は和也から離れると、和也の左手を自分の右手に繋いだ。
「ありがとう、和也がそんな風に思っててくれて、私とっても嬉しい。」
私がそう言うと、和也も笑顔でこう言った。
「なんかすげぇキスしたいけど、流石に此処じゃ無理だなw」
そう言って笑った顔が、とっても可愛かった。
やっぱり私はこの人が好みだと、純粋にそう思った。
見た目もそうだし、性格も優しいし、何より″私″を好きだと言ってくれるからなのかもしれない。
その後は他愛ない話をしながら、二人で学校に向かった。
学校でのあの子は、極力周りと接して居なかったから、特に演技する必要もないだろうと思って少しだけ安心した。
私という人格を近しい人が受け入れるまでは、面倒事は極力避けたい。