叶う。 Chapter2
学校からの帰り道、私達はいつもの様に手を繋いでいた。
和也の家に行く予定だと私が言うと、やっぱり凛は一緒に来たがった。
だけれど、悠希がたまには二人にしてあげなと凛を説得したので、凛は渋々それに了承した。
多分だけれど、悠希もたまには凛と二人で過ごしたいんじゃないかと思った。
途中、コンビニに寄ってお菓子やら飲み物やらを調達すると私達は真っ直ぐに和也の家に向かった。
和也の家の前で、凛と悠希にバイバイをした。
「冬休み、絶対遊ぼうね!」
凛は笑顔で私にそう言ったので、私も笑顔で頷いた。
「適当にさ、皆で集まろうぜ。」
和也も悠希と凛にそう言って、私と和也は和也の家に、凛と悠希は凛の家に、お互い手を振りながら入って行った。
こんなに近くに居るのに、何故か一緒に過ごさない事が何だか珍しくて私は少し落ち着かない気分になった。
和也の家は静まり返っていた。
きっと家に誰も居ないのだろうと思った。
前回アンナが来た時は、リビングに行くか部屋に行くか聞かれたけれど、今回は和也は黙って自分の部屋に私を連れて行った。
「お邪魔します。」
誰も居ないのは明らかだけれど、私はそう言って靴を揃えてから玄関を上がった。
そして先に行く和也の後を追って、2階の階段を登ると和也は部屋のドアを開けて私を待っていた。