叶う。 Chapter2
そうこうしているうちに、和也が私の元にやってきた。
「ん?どうした?」
わざと手に紙切れを持って棒立ちしている私にそう声を掛けてくる。
「・・・これ、下駄箱に入ってたの。」
和也は私の手から紙切れを取ると、開いて中を確認する。
途端に和也は眉根を寄せた。
私は和也が来る前に、こっそり中身を確認していたので心の中で笑ってしまった。
だけれどそれがばれないように、和也に聞いた。
「何か書いてあるの?」
「・・・あー、気にしなくて良い。」
「何で?気になるよ?」
「・・・・。」
「さっきね、女の子達が私の事向こうから見てたの。その子達からかなって思ったんだけど。」
「どんなやつだった?」
私は心の中で笑いながら、その子達の特徴をきっちり和也に報告しておいた。
「ねぇ、何が書いてあるの?」
和也の腕に掴まりながら、落ち着かず気になる振りを続けてた。
「・・・かなうが可愛いってw」
和也はそう言って笑って誤魔化そうとした。
私は少しだけ不機嫌な振りをする。
和也は苦笑いをしながらそんな私の頭を優しく撫でる。
私はそれだけで満足だった。
これであの女達は和也にこっぴどく怒られるだろうし、何かされたら仕返ししてあげれば良いだけだ。