叶う。 Chapter2
その後は2人で階段を上がって、別々のクラスに向かった。
優しい和也と離れるのは何だか寂しい気もするけれど、多分和也もあの女達を怒ったりする時間が必要だろうから我侭を言うのはやめておこうと思った。
クラスに入ると、一斉に視線を感じる。
髪を染めたせいももちろんあるだろうけれど、理由は多分和也だろう。
通学路で抱き合ったり、ベタベタしているのだからそれは当然だと思った。
「かなう、おはよ。」
私が机に座ると、賢そうな男の子が私の席にやってきて、空いている隣の席に座って私の方を向いた。
この子は確か、祐希だ。
「おはよう祐希。」
「髪染めたの?めっちゃ綺麗に染まってるね。」
「うん、元々色素が薄いから・・・。」
「何か雰囲気変わったね。」
「皆にそう言われるの。髪形かなぁ?」
「いや、何か明るくなったっていうか。」
「何か髪変わったら、気分も変わったのかも。」
「女の子ってそういう所あるよね?w」
祐希はそう言って、爽やかな笑顔を浮かべた。
「でも、和也が余計心配しちゃうんじゃない?w」
「・・・うん?」
「かなうが可愛くて仕方ないから、あいつww」
「大丈夫だよ?私も和也が大好きだし。」
私がそう言うと、祐希は一瞬驚いた顔をしたけれどクスクスと笑い出した。