叶う。 Chapter2





「一つだけ、確認してもいい?」


和也の言葉に自然と顔を向けた。


「前の人格っていうのかな?と今のかなうが別人だって知ってるのは誰?」


「・・・・兄2人と和也だけだよ。」


私がそう言うと、和也は安心したように笑顔になった。



「じゃあ、そんなに気にする事じゃないね。かなうがもしずっと病院に容れられたら、俺耐えられない。」


和也のその言葉で、和也はこの話を誰にも言うことはしないんだろうと思った。


「ごめんね。」


私は何だか無性に申し訳ない気分になった。
普通の人からしてみたら、私の頭はやっぱりおかしいだろうと思ったし、私は和也からもかなうという存在を奪ってしまったのだ。


「なんで?話してくれて嬉しかったよ。」


和也はそう言って、私をそっと抱き締めた。


「なんとなく、かなうが雰囲気変わったと思ってたけどさ。それでも俺はどんどんそんなかなうに惹かれてた。だから、かなうが例えどんな風になっても、多分ずっと好きだよ俺は。」


「ご、め・・・んね。」


私はまた涙が流れ出した。
どれだけ泣けば、涙は枯れてくれるのだろうか。


「多分さ、今はお互い結構感情的になってるし、かなうがどうしたいか冷静にもう一回考えてくれない?結論は急がないし、ゆっくり考えて、ね?」


和也の言葉に私はこっくりと頷いた。





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