叶う。 Chapter2




“和也と別れろブス”
“死ね”
“学校に来るな”
“キモイ”


そんな感じだっただろうか。

正直小学生かよと突っ込みを入れたくなるほどの幼稚な言葉で書かれていたので、きっと頭が弱い子達なんだろうと予想した。

だけれど面倒な事に、頭が弱いやつほど手に負えないし、予想外の行動を取ったりするので油断は出来ないのだ。

和也にこっぴどく怒られて反省してくれれば良いのだけれど、そうもいかないだろう。

そして、ふとこの学校で一番権力を持っている人間は誰だろうかと考える。
それは周りが怖がる人間であればあるほどいい。

そして頭が悪ければ悪いほど良い。


なぜなら頭の弱い男ほど、極端なほど女に一途であるからだ。


同じ学年なら、間違いなく和也だろう。

だけれど、凛のこともあるから和也が全部私を守りきれるとも限らない。
面倒事を起こしたくはないけれど、自分の身は自分で守るのが確実だと思う。

幼かったあの頃は、自分を守ることは出来なかったけれど、今はきちんと自分を守る術も頭もある。


担任が出席を取っている間、私はそんな事ばかりを考えていた。


頬杖をつきながら、シャーペンで意味もなくトントンと教科書を叩く。
何か良い案が浮かばないかと期待したけれど、残念ながら浮かんでこなかった。




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