叶う。 Chapter2
もう少し、ダークな部分に目を向けないといけないのかもしれない。
凛が今の彼氏と付き合って、自分の身を守ろうとしたように。
・・・・・・凛の彼氏?
今朝のシオンの言葉を思い出す。
凛の彼氏に仕事をさせてるって言ってなかったっけ?
だから凛はシオンに会った事がある。
そしてシオンを見た時の、凛の表情をしっかりと思い出す。
“お兄さん何か言ってなかった?”
という、凛のメールを思い出して私は何故だか身体の中から湧き上がる興奮に思わず身震いしたくなった。
何故だか理由は分からない、だけれどその繋がりはきっと何か楽しい事が隠されているに違いないと確信した。
さて、どうしたものか。
凛を問い詰める?
でもそんなことしたら、あの子は気が強いし賢いから疑われかねない。
じゃあ、シオンにそのことを聞いてみる?
そっちの方が確実かもしれない。
あまりかかわるなと言っていたけれど、大好きなあの子の為ならシオンは簡単に口を割るだろう。
だけれどシオンをあまり脅すのも気が引ける。
なんだかんだ言っても、シオンの頭の良さは理解しているし、怒らせたらきっと誰よりも恐ろしい存在だろうと思うからだ。