叶う。 Chapter2




何故なら愛する人を失った翌週に、態々日本にやって来てママ達を連れて行ったのだ。

普通なら、そんな事考えられる訳がない。

だってこうしてママやシオンやレオンと離ればなれにされただけでも、私の心は今にも壊れそうだ。

血の繋がりはなくても、そう感じるのだから血の繋がりがあったら、普通ならもっと酷く弱るだろう。


だけれど……

ママ達が何処に居るのか分かった。

それに、双子の父親の事も何となく分かった。


とりあえずの情報収集はこれで良いだろう。

多分、調べてもこれ以上私が気にする情報は出て来ないだろうと思った。


それから私は家を探す事にした。

何をするにしても、先ずは住む場所を確保しなければいけない。

私はリビングに行って双子の父親から貰った、電話番号の書かれた紙を手に取った。

番号の下に″月島省吾"と書かれている。

時間を確認すると、午後23時を少し過ぎたくらいだった。

人によっては迷惑な時間かもしれないけれど、残された時間は少ない。

私は申し訳なく思いながらも、携帯からその電話番号に電話を掛けた。


電話は中々繋がらなかった。
ひょっとしたら、眠っているのかもしれないと思ったけれど、私はそのまま暫く待った。


多分20コール目くらいだろうか、電話は突然繋がった。



″……はい。″


電話口から聞こえたその声は、低くて少し掠れてた。





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