叶う。 Chapter2
″かなう、ありがとう。会えなくはないけど、多分凛見たらびっくりすると思うから。″
凛からきたそのメールで、恐らく凛がかなり弱っていることが何となく分かった。
しっかり者の凛が、こんな鈍くさい私にそんなメールを送ってくるなんてよっぽど酷い目にあったに違いない。
私は俄然興味津々で、凛の様子を見に行く事にした。
″凛、心配だから家に行っても良い?″
″来るのは良いんだけど、和也とかには知られたくないんだ。″
″どうして?″
″アイツら馬鹿だから、凛の彼氏と揉め事でも起こしたら、アイツらがやられるから。″
″分かった。一人で行っても良い?″
″かなうが良いなら、大丈夫だよ。でも和也が一緒に行きたがるでしょ?″
″大丈夫、何とかするよ。叶は凛が一番大事な友達なんだから。″
″ありがとう、嬉しいよ。″
″じゃあ、もう少ししたらお昼休みだから、具合が悪いって早退するね。道が分からなくなったら電話しても良い?″
″りょーかい。なんかごめんね。″
″全然だよ。じゃあちょっと待っててね。″
何だか順調に行き過ぎてちょっと気にはなるけれど、多分それだけ凛は弱っているんだと思った。
優しい私はそんな凛を慰めてあげよう。
そうすればもっと凛は私の事が好きになるだろうし、何かと役に立ってくれるはずだ。
そう思った瞬間、4時間目の終了を告げるチャイムが鳴り響き、私は荷物を纏めた。