叶う。 Chapter2
「まさか凛にこんな可愛い友達がいるなんて知らなかったぜ。」
「・・・・。」
私は無言のまま、男を見つめた。
くっきり二重だけれど鋭い瞳に、体格の良さからしてもきっとこいつも女には不自由しないタイプの人間だろう。
私は全く好みではないけれど、女とは馬鹿な生き物なので案外こういうイカレタ人種を好むタイプが多いのも事実。
そしてこいういう人種ほど、色々と役に立ったりもする。
だから私はこいつの話に返事はせずにこう言った。
「凛に何をしたの?凛はどこにいるの?」
「教えて欲しいか?」
「うん、教えて。」
「アイツには色々させてるんだ。」
「色々って?」
「・・・知りたいのか?」
そう言って鼻で笑うこの男に、ちょっとうんざりしながらも私は平常心を装った。
「アイツは俺のために金稼いでるよ。」
「・・・・どういう意味?」
もうなんとなく想像は出来た。
それと同時になぜか怒りが込み上げる。
「だけど、最近はアイツが言う事聞かなくて困ってんだ。」
私は両手をぎゅっと握り締めた。
車が信号で止まると、男は私の目を見つめてこう言った。
「だから、今日はちょっとお仕置きしてやってる。」
そう言ってニヤっと笑った男の鼻を殴ってやりたい衝動に駆られたけれど、私は何とかそれを抑えた。