叶う。 Chapter2





樹は毎日のように、夜通しクラブで遊んでた。私もスクール帰りに呼び出されたり、週末になれば一緒にクラブで遊んだり、売りやったりしてたの。」

凛はなぜか吹っ切れたかのように、つらつらと言葉を吐き出し始めた。

きっとずっとこうして、誰かに聞いて欲しかったんだろうと思った。
私はそんな凛をじっと見つめながら、話に耳を傾けていた。


「だけど、ね。かなうと遊んでから、思ったの……今更遅いけど、私も純粋って言うか、もっと素直に生きたいって。」


私は純粋でもなければ、素直な人間でもないのだけれど、今はそれを伝える必要はなかった。

むしろ、凛よりよっぽど汚れた人間だけれど、私は黙って更に情報を引き出せないか聞き耳を立てた。


「だから、あの日アイツに別れたいって言ったの。あの日アイツはクラブに居て、私はその場所に呼び出された。」

「……うん。」

「アイツはクラブに行くと必ず、VIPルームって場所に立ち寄ってた、私は入ったことがなかったけど……あの日はそこに来るように電話で言われたの。」

「……うん。」

「だから、私はその場所に初めて入ったの。クラブからは見えない2階部分にその場所があったから、私は今までその場所で何をやっているのか知らなかった。」


凛はそこまで喋ると、頭痛がするのか髪を鷲掴みにした。





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