夜空の琥珀
「ほんっとごめん。ついさっき思い出したんだ。もう……どうして昨日気づかなかったんだろう」
「えーと、何のことです?」
「今日の漢文、古文に変更したんだ。予習するよう昨日の授業中に言われてたんだけど、すっかり忘れちゃってて」
「……マジですか」
「マジです」
それはビックリ仰天事実発覚。
古典担当の西田先生は課題に厳しいお方。
忘れたとなればどうなることかわかったもんじゃない。
おまけに、授業は次だし。
「本当にごめん!」
「あ、謝らなくていいよ! 私が頑張ればいいことだから」
「やっぱり僕の責任だし。……今から時間もらってもいい?」
「特に支障はないけど……?」
「僕が教えるよ。せめてものお詫び。お願い、やらせて?」
願ってもない提案に、私は飛び上がった。
「お願いも何も、大歓迎だよっ!」