夜空の琥珀
「紅林さん、今すぐ僕とケンカしてって言ったら、できる?」
「……えっ、出来ないよそんなことっ!」
「だから、今はそれでいいんじゃないかな。どうやら僕には、紅林さんを怒らせることはできないようだし」
「えっと……?」
「人っていうのは、いつも笑っているわけにはいかないでしょ? ときには怒ったり、泣いたりすることも必要なんだ。
だから紅林さんが本気で怒れる相手がいることは、大切なことだと思う」