夜空の琥珀
「すみません少しお時間くださいな!」
有無も言わせず詰め寄る。ヤンキー口調でないあたり、もうすでに諦めの境地に入っている。
こうなれば、すべきことはただひとつ!
「ウチの制服着てるから、ウチの学校の人でいいんですよね!」
まずは身元の特定を……おっといけない、そんなおっかない表現をしなくても。
青年はあぜんとしている。
驚かせすぎちゃった。
ここは穏便に済ませなくちゃ!
「コ、コホン。ごめんなさい。私ったらビックリさせてしまって。おほほほ」
即席の笑みでごまかそうとしてみた。
けど、見られてる。
超見られてる。
そんなに見つめられたら、恥ずかしくなっちゃいます……。
「ふふっ」
「……は?」