夜空の琥珀
 
「私もムキになったところがあったが、彼女も言い過ぎだった。他のヤツらのことまで悪く言ったんだから」


「本当のことを言って何が悪い?」



 そう吐き捨てた男子生徒の矛先が、城ヶ崎に向けられる。



「地味なヤツは地味、不良は不良。見たままを言っただけだろう。誤解だと言うならそんな風に言われるヤツらが悪い」


「テメェ……っ!」


「よせ!」


「お前の指図なんか、誰が受けるか!」


「落ち着け! 殴ってしまえばお前の立場が悪くなるだけだろうが!」



 暴力沙汰になれば厳しい処分が下される。

 最悪退学になるかもしれない。

 だから私は、城ヶ崎を止める。
 
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