夜空の琥珀
「……腐ってる人間なんか、いない」
少ない酸素。話せばもっと逃げていく。
だけど私は。
「城ヶ崎……手ぇ、出す……なよ」
顔も動かせないし、目を合わせることもできないけど、私は城ヶ崎に笑いかけた。
「そりゃあ、性根の悪いヤツらはいるがな……そいつらも、そいつらなりに生きてんだ」
私が先生に叱られたって知って、どうして言わなかったんだ、そんな筋合いはないって怒った。
本当は優しいのに、不器用で強気な口調でしか人と接することができない。
だから、独りを選んでいく。
独りにならざるをえない寂しさを、私はよく知っている。