夜空の琥珀
「コイツはお前だけのモンじゃねぇんだぞ。縛り付けるのも大概にしろ」
若葉くんの瞳が大きく見開かれた。
すぐに、端正な顔を歪めて唇を噛む。
「若葉くん、城ヶ崎は乱暴なんてしないから、そんなに心配しないで?」
だから大丈夫だと、安心させるつもりだった。
「……わかった。行っておいで」
なのに、若葉くんの声は沈んでいた。
「行くぞ」
それでも城ヶ崎は待ってくれなくて、促されるまま、教室を後にする。