夜空の琥珀
「お前、ミブロに助けられたことがあるだろう」
どうしてそれを知っているの。
疑問を口にする前に表情で悟られた。
「あのミブロの動向だ。嫌でも耳に入ってくる。あれほど冷酷で非情だと謳われたヤツが女を助けた。弱味でも握られてねぇ限り、そんなことはしねえだろ」
「じゃあみんなは、私がミブロを脅してるって、そう思ったってこと? 私、彼にそんなことしてないわ!」
「落ち着け。そういう見方をしているヤツもいるってことだ」
城ヶ崎の言うことは認めがたい。
でも不良に絡まれたとき、脅かせば逃げて行ったというのも事実だ。
私が怖がられていたのは、ミブロと同等か、それ以上の力を持つ存在だと思われていたから……。