夜空の琥珀
 
「ミブロの名にビビる分はいい。が、物事をよくわかっちゃいねぇ輩が、面白半分でミブロの名を語ったり、すっかり騙された馬鹿共がくだらねぇ争いを起こす。

 その危害がミブロと関係の深いお前に及ぶ可能性は、充分にある。だからアイツも、必死こいて走り回ってんじゃねぇの」


「え……それって」


「どこで聞いたのかは知らない。けど結構前、あの眼鏡に釘刺されたんだよ。お前に危害を加えようとしたら許さない、ってな。言われなくともこっちから願い下げだっつーの」



 さっき、若葉くんと話していたときも険悪な雰囲気だった。

 悪態をつく城ヶ崎が言っていることは、事実なのだろう。
 
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