夜空の琥珀
言葉は突き放すようだったけれど、とても真剣な眼差しで見つめてくる彼の真意に、気づいた。
次の瞬間、ほとんど反射的に足を踏み出していた。
……考えてみればいつもそうだった。
ピンチのときに助けてくれるのは若葉くん。
彼が私を守るために奔走してくれていたことなど、知りもしなかった。
今回だって、知らず知らずのうちに守られるところだった。
――教室へ。
そこへ行かなければならない気がして、歩調を速める。
私には、すべきことがある。