夜空の琥珀
 
「平気。紅林さんが心配してるようなことはないよ。編入初日から全然変わってない。それ以上のことはない。だから安心して?」


 そんなことを言って、彼はまた、私だけに笑うんだ。

 それ以下のこともないっていうのに。



「でも若葉くんに友達ができないし、放っておくわけには……」


「別にいいんじゃない? いつまで経ってもこの状況が変わらないのなら、どうしたって僕の友達にはなりえないんだから」


「そんなこと言われたって全然嬉しくないっ!」


「……紅林さん……?」


「友達ができなくてもいいって……まるで、友達なんていらないみたいな言い方……」
 
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